漢字混じりの童話|ひとりでよめるひらがなのどうわ |
|お母さんの海|涼んでいたカラスヘビ|がけの上の花畑|はり山の花|黒いとうの上|まほうの夜| |
マーちゃんは、きのうから、家族みんなで、おじいちゃんとおばあちゃんの家に遊びに来ています。おじいちゃんの家は、げんかいなだという海のそばにあります。マーちゃんの家は、海が近くにありません。だから、いつも、遊びに来るのを楽しみにしています。
![]() ![]() 晩ご飯のときに、おじいちゃんが言いました。
「みんな。今だと、赤いきれいなツバキの花がいっぱいさいているが、明日は山に見に行くか?」
すると、お母さんが言いました。
「あら、ちょうどいい時に遊びに来たわね。みんなで行って来たら?目を見張るくらいに真っ赤な花がいっぱいで、そりゃあきれいよ。」
「 わたし、友達ともうやくそくしちゃった。」と、おねえちゃんが言いいました。
おにいちゃんも言いいました。
「おれ、ァ!・・・ぼくもやくそくしちゃったよ。」
お兄ちゃんは『おれ』と言ってお母さんににらまれたので、あわてて言い直しました。お姉ちゃんも、お兄ちゃんも、もう、友達と約束をしているので、山に行けません。でも、マーちゃんはだれとも約束していないので、喜んでついて行くことにしました。
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![]() うんしょ。うんしょ。よろよろっ。マーちゃんは、必死なようすで、がん張って歩いています。マーちゃんは、心配するお母さんに、がん張って歩くと約束しました。だから、絶対に山の上まで歩くんだ、と、がん張っているのです。 おじいちゃんが、横を歩いているマーちゃんを見ながら言いました。
「もう少しだからね。もうちょっとがん張れるかな?」
マーちゃんは、はあはあ言いながら答えました。
「うん。がん張れるよ。だいじょうぶだよ。」
おじいちゃんは、マーちゃんが危なくないのを確かめて、また歩き出しました。高い木がいっぱいだから、道は少し暗くなっています。その細い凸凹の道を、どんどん上に向かって登ります。
ちょっとこわいな、と思っていると、いきなり、目の前が明るくなりました。マーちゃんは、びっくりして立ち止まりました。右側はがけになっていて、がけの向こうは、ずうっと遠くまで、海しかありません。
マーちゃんはこんな広い海を見たことがありませんでした。あんまり大きくて広いので、歩くのを忘れて、海の右から左まで見ていきました。そうすると、空と海がぶつかっているのに気がつきました。
![]() ![]() 「おじいちゃん。空と海がぶつかってるよ。なんで?」
「ぶつかってるように見えるだけだよ。水平線というんだ。ずうっと向こうまで海しかないから、そう見えるんだよ。」
「ふうん。ぶつかってるんじゃないのか。水平線の所まで行けないの?」
「うーん。行けるけど、そこまで行こうとすると、水平線はまたずうっと遠くに動くんだよ。そうだ。家に帰ったら、地球ぎを見せてあげよう。そうするとよく分かるだろう。」
「地球ぎ?」
「そうだよ。マーちゃんが今立っているのは、地球という星の上なんだ。たくさんの人が色々調べて、地球をとっても小さくしたものを作ったんだ。それが地球ぎだよ。」
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