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漢字混じりの童話ひとりでよめるひらがなのどうわ
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黒いとうの上

ここはマーちゃんの家の庭です。
花だんや小さな畑には、花や野菜がいっぱいに、元気良く育っています。テラスには、小さな黒いテーブルと、4っつのいすもあります。
今、マーちゃんが庭であそんでいますよ。

「お母さん。アリがいるよ。あっ、あっちにも。小さいのによく動くなぁ。」
アリは、通せんぼをすると、通れないので、行ったり来たりしています。かわいそうになって、通してあげました。
次には、細長い葉っぱに乗せました。小さいから、はしからはしまで行くのに、ずいぶん時間がかかりました。
その次には、手の平にのせました。すると、うでの上の方へどんどん登って来ます。じっと見ていましたが、くすぐったくなって、取ってしまいました。

次は何をしようかな。

見渡すと、畑のイチゴが、いくつも赤くなっています。とてもおいしそうです。

「お母さん。あのイチゴをアリにあげてもいい?さとうもかけていい?」
お母さんは、ちょっと考えました。家のそばに巣ができたら大変だけど、テラスのテーブルは水で洗えます。
「そうね、紙のお皿に入れて、テラスのテーブルに置いてごらん。アリはちゃんと探してやって来るから。」

マーちゃんは、さっそく台所へ行って、紙のお皿を出しました。お皿にさとうを入れてテラスに戻ると、黒いテーブルに置きました。
お母さんが、イチゴを取ってくれました。とてもおいしそうです。
「お母さん。1こ食べてもいい?」
「水できれいに洗ったらね。」

イチゴはちょっとすっぱくて、甘い味がします。もう1こ。もう1こだけ。あとはアリにあげる。
残ったイチゴは、小さくちぎってお皿のさとうと混ぜました。
マーちゃんの手は、イチゴの汁とさとうでベタベタです。このままだと、エサだと思ったアリに、食べられるかもしれません。急いで手を洗うと、テーブルの近くであそぶことにしました。
さあ、アリはやってくるでしょうか。

「お母さん。庭であそんでていい?」
「いいわよ。でも、あぶないから一人で外に行っちゃだめよ。」
「はぁい。車がいっぱいだし、こわい人がいるし、まいごになるもんね。」
「そうよ。お母さんがいっぱい泣くよ。」
「うん。だからね。外に行かないよ。」
「外に行きたくなったら言いなさい。いっしょに行ってあげるから。」
「はぁい。」

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