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お母さんの海

今日もお休みの時間になりました。
歯をみがいて、おふろに入って、おフトンに入って、お母さんを待っています。
今日は、お母さんの小さいころの話をしてもらう約束です。

「おじいちゃんちでツバキがさいてた山から海が見えたよ。海の話がいいな。」

マーちゃんがそう言うと、お母さんが話し始めました。

「そうねえ、お母さんの家とお父さんの家は近かったから、お父さんと、よくいっしょに遊んでたの。おじいちゃんが、時々、海に連れて行ってくれてね。『いそ』っていう、岩がいっぱいのはまがあるから、そこでよく遊んだの。二人とも、夢中になってあっちこっち動きまわってね。おじいちゃんから、『走るんじゃない!岩の上で転んだら大ケガをするぞっ!』って、よくおこられたなあ。」

「ぼく、公園でいっぱい走るよ。みんなも走ってるよ。何でいけないの?」
「そうね。おじいちゃんが何でそんなにおこったかって言うとね。岩がいっぱいあるからよ。岩は、海の水でぬれてるし、海草やコケが生えてるから、とってもすべりやすくってね。すべると、公園じゃないから、かたい岩があるでしょう。それで頭を打ったり、骨を折ったりするの。ケガをして、本当に死んでしまうこともあるからね。マーちゃんも、イソに行ったら、走ったり、ふざけたりすると危ないから、しないのよ。」

「うん。海はすっごく楽しいけど、岩があると、とってもこわいんだね。」
「そうよ。夏におじいちゃんちに行ったら、連れて行ってあげようね。」
「う〜ん。行きたい!けど、ちょっとこわいかな。走らないようにがまんしなくちゃね。」
「そうよ。ぬれてもすべらないクツをはいて行かなきゃね。」
「すべらないクツ?どんなの?家ではいてるのじゃダメなの?」
「そう。ツルってならなくて、すぐぬげてしまわなくて、裏にゴムがあるのがすべりにくいよ。でも、すべりにくいだけだから、すべらないんじゃないよ。やっぱり、走ったり、ふざけたりしちゃダメだからね。」
「うん。ツルって・・・、ふつうのクツだと、スケートみたいになるのかな?」
「そうよ。でも、スケート場みたいに平らじゃないでしょう。」
「うん。すぐ転んじゃうよね。ぼく、走ったりふざけたりしないよ。」
「えらいね。約束ね。」
「ほかには?何かしたの?」

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