気分が優れない、悩みが多い、気が滅入る、などの状態が長引くと、人は猫背になりやすい。はっと気づいて姿勢を正すが、しばらくするとまた猫背になっている。猫背になると、歩き方が猿人？に近づいていく･･･。思い当たる方は多いだろう。

しかし、それを注意されると、事実であっても侮辱されたように感じてしまうことも多い。実際、僻みではなく、侮蔑のニュアンスが含まれていることも少なくない。かといって、懸命に努力して背筋を伸ばして行動すると、『現実を改善しようともしないで格好だけつけている、何も考えていないダメ人間』と陰口を叩かれたりもする。

イジメられっ子の親がしたなら、『子供が悩んでいるのに放ったらかして、自分だけ生き生きとして、何て親だ！』と非難される。親が悩んでばっかりのときは、『親がしっかりしなくちゃ！』と言うのに、一体どうしろというのかと叫びたくなるが、そんな陰口に付き合って悩んでいると、なお猿人化してしまう。

そういう集まりの中では、現実は絶対に良くならない。イジメられて引き籠もった子供を、親が恥ずかしいと思っているのならともかく、イジメを不当と思うなら、堂々として当然だろう。また、親が堂々とした態度で働かないで、誰が子供に食べさせていくのか。イジメの被害者にも家族にも、非常な悲劇には違いない。しかし、悲劇に悩んでいれば働かずに食べていける制度がどこにあるだろうか。

そんな人間は現代には掃いて捨てるほどいる。そんな人間も含めて、端で見ている人はあれこれ言いたくもなろうが、現代はストレス過多の状態であり、意外に本人もそうだったりする。他人に難癖をつけ、ありもしない欠点まであげつらって鬱憤晴らしをしてストレスを発散する。早い話が八つ当たり･･･。人が完璧でありえない以上、こんな嫌がらせや僻みもなくならないのだろう。

また、事の大小にかかわらず、人の気持ちを荒立てず、人に苦言を呈するというのは、頭を抱えるほど、すこぶる難しい。

ともあれ、猫背から颯爽へ。猫背の上目遣いは嘲られがち。颯爽とした真っ直ぐな目で立ち向かいたいもの。お金をかけずに現状を改善できれば、それに越したことはない。肩凝りをほぐすついでで構わない。立っていても、椅子に座っていてもできる。しかも、タダ、簡単、肩凝りも和らぐ。肺活量も上がる？胸を張るから。（＾０＾）

たったこれだけで、猫背の状態から、胸をグッと張って、ついでに下腹に力の入った良い姿勢になっている。後ろに回したときに背筋が伸びるから、自然に下腹に力が入り、そうなってしまう。鏡の前に立ってやると良くわかる。要は、《胸を張り、下腹に力を入れて歩く》、それをやる。丹田云々とよく言われるが、その姿勢で歩くと、猿人のような歩き方にはならない。

また、一本の線の上をたどるように、線上の離れたところを目的地とし、その目的地を適当に移動させながら、そこに目線をやって歩く。そうすると、目的を持ち、何かを目指すような、きびきびした歩き方になる。

街中を歩くときなどに、ショーウインドーなどの全身が見えるところで、さり気なく姿勢を点検してみるのも良い。目をやったその瞬間には、外にいるときの何気ない自分の姿勢がショーウインドーに映っている。それをさり気なく正そう。

この程度のことだと、簡単すぎていつでもできると思ったり、馬鹿にしてしまって、かえってやらないものでもある。しかし、こんな簡単なことを習慣にするだけで、姿勢に自信を持って歩けるようになる。日々心がけるだけで、いつの間にか颯爽と歩いている自分に気づく。外に出るのも、今よりずっと楽になり、楽しくもなる。