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梅之ゆたか著
小説ファンタジー|詩集花筏歌集
朱の楯鉾悠久の一瞬鏡岩生かすために赤い花葦舟に国の一欠け
万華鏡過ぎゆく時たった一つの褒め言葉彼は言った姉ちゃんの弟手のなかで黄泉路近く

姉ちゃんの弟

父の大きな掌に
収まるばかりの身体から
無事に育てと皆の目を
集めた 可愛い弟の
身構えて突進してくる姿まで

にっこりと見上げて笑った愛らしさ
楽しく一緒に遊んだ日々
姉ちゃんの嘘つきと言われて
悲しくなった思春期

それからは
慕ってくれない寂しさに
ぽっかり空いた腕があった
わたしより先に逝くなんて
お母さんは迎えに来た?
前の旦那様が一緒でも
お母さんを
愛し救ってくれた人だから

死んだ兄さんが一緒なら
その人とお母さんの子供だもの
きっと可愛がってくれるよ

できるなら この世で
幸せを もう一度
味わってから逝ってほしかった

もう虐める人達はいないから
もう苦しまなくていいんだよ
[ 2006.10.30 ]
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万華鏡過ぎゆく時たった一つの褒め言葉彼は言った姉ちゃんの弟手のなかで黄泉路近く
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