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梅之ゆたか著
小説ファンタジー|詩集花筏歌集
朱の楯鉾悠久の一瞬鏡岩生かすために赤い花葦舟に国の一欠け
万華鏡過ぎゆく時たった一つの褒め言葉彼は言った姉ちゃんの弟手のなかで黄泉路近く

たった一つの褒め言葉

声が聞こえる
お母さん
あなたの声が聞こえる

あんたは優しかもんね
後にも先にも
たった一つの褒め言葉

これはあんたにやるけんね
あんたは着物が好きやけん
形見の品は 塵一つも
手元に来ることさえ
なかったけれど

それでも
言葉だけは
何年たっても暖かい
天国で
初恋の旦那様と
また所帯を持っていますか

産声も上げられずに
死んだ兄さんも一緒ですか
旦那様によく似ているかしら

お母さんを守ってくれたのは
そのお父さんだけだね

もし 生まれ変われるものならば
また 二人が出会えるように
今度こそ 幸せに生きられるように
どこにも 戦渦がないように
[ 2006.09.16 ]
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