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梅之ゆたか著
小説ファンタジー|詩集花筏歌集
朱の楯鉾悠久の一瞬鏡岩生かすために赤い花葦舟に国の一欠け
万華鏡過ぎゆく時たった一つの褒め言葉彼は言った姉ちゃんの弟手のなかで黄泉路近く

朱の楯鉾

本能によらず人倫により
和する言葉を持ちながら
人は
互いに思いやる心を
捨てようとばかりしている

口は人権を唱えながら
平等を、同和を唱えながら
足は人を踏みつけている

その正義は
スローガンを掲げるための
仮面でしかない
人は、全ての世界で
差別の限りを尽くし
身を守る楯鉾にしている

誇るべきを捨て
楯と鉾を人の血に染め
誇り顔に胸を張る

人は、ただ一時の
自己満足のために
浅はかな歴史ばかりを
繰り返すしかないのか
[ 2006.08.20 ]
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