人として、成すべきことを持ち、成すことのできる人生ほど素晴らしい人生はない。ことに今は民主主義の時代、自分と自分以外の全ての人権を平等に主張すべき時代だ。しかし、それが無視されたことによる犯罪は多い。

今の世界には、不平等や差別がしきたりや伝統として多く継承されている。そして、それは未だかつて民主主義という人権を尊ぶ社会に存在したことがない。それは何を意味するか。上下関係を確固としたものにするために、絶対服従という人権無視の精神が当然のごとく盛り込まれている、ということだ。それをそのまま継承することは民主主義に反する。今、それが今やっと問題になっている。

時代を超えても継承するに値するとして継承されてはきたが、しきたりはあくまで封建体制に都合の良いように作られた。それを平等と人権尊重を掲げる民主主義社会で再現するのだから、問題が起きないほうがおかしい。

一般の差別行為は止むことなく日々のニュースを賑わす。しきたりや伝統による人権無視は後を絶たない。今、改革が叫ばれている人権軽視の学校教育、差別やイビリの風潮。自由に羽ばたこうとしていた、あるいは、すでに自由に羽ばたいていた鳥が、身につけた飛び方を禁止され、全く違う飛び方を強いられ、自由に飛ぶことも許されない。そんなことがしきたりや伝統として通用する。自由と平等と人権尊重という民主教育を受けた後で、理不尽の極みを強いられる。自分が人として学んだ全てを、自分の全てを、否定されて生きられる人がいるだろうか。

ニュースでも、実際にでも、医者でも専門家でもないのに、大仰にあげつらう。資格を持った医者が診断指導しているものを、何の資格も専門知識もないのに非難中傷して台無しにする。そんな人間に何一つ言う資格はない。非難中傷したいなら、鏡を相手にすればいい。

それに、昔は、誰でも慣れない場面では不安や緊張で脂汗を流したり、恥ずかしさで赤面する、などの場面があって当然だった。しかし、今は、たったそれだけのことに社会不適応という病名をつけたりする。厚顔無恥になれないのが病気？不安や緊張も恥じらいもないのは機械では？物を買わせるのが企業とはいえ、企業が何でもかんでも病気にしているようにも思える。

また、その対象は限られるが、敗戦により日本の象徴となった天皇家には戸籍も自由も人権もない。なぜ民主主義国に戸籍も自由も人権もない人が存在するのか。日本人の誰もが、自分にそのどれか一つが欠けていると、声を大にするのではないのか。それは一国民がどうこう言えないことだろうか。日本人は先の大戦の罰を天皇家に延々と負わせてしまっている。昭和天皇が断固として止めれば軍は暴走しなかったのか。無論、議論するまでもなく、暴走しただろう。いつでもどこでも、権力を手にした人間は、上の威光を利用し、無視することをも躊躇わないのだから。現に今の社会も然り。ともかくも、貴族でなくとも皇室に嫁す現代では、なお納得し難い。