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オールマイティ幻想

何かに突出すれば専門家になれるが、何でも無難にこなせば全ての専門家になれるほど、人間は高性能にできてはいない。何でもできるなら素晴らしいし、それを目指すのも賞賛に値する。しかし、目的がいかに素晴らしくとも、それだけではどの専門家にもなれない。全ての面で完璧にその域に到達してこそオールマイティになれる。が、完璧になりえない人間は到達もしえない。虹を目指して生終えるまで精進すべき不完全な存在だ。
それを、オールマイティでなければいけない、何でもできなければ、全てやるべきだ、と、多くの企業や役所は人材をたらい回しにする。(たらいまわしの技術はそこで身につくのか)しかし、良い大学を出たり、公務員試験に合格したからといって、税理士にも、医者にも、弁護士にも、なれるわけではない。それらの専門知識は何年もかけて習得することで、やっと研修という見習い期間に入るほどの知識が要る。他の専門職も同様だ。どんな技術者であろうと、看護師であろうと看護師資格のないヘルパーであろうと、それぞれ膨大な専門知識が必要であり、おいそれとなれはしない。だからこその専門家だ。
日本人には、権力がスローガンを掲げただけでそれが成されたかのように一斉に口をつぐむという悪癖がある。長い封建政治で抑えられ慣れたための名残だ。幻想に浸るだけで完璧になれる?誰でも幻想さえ抱けば何にでもなれる?負のイメージは可能を簡単に不可能に変えてしまうが、その逆は膨大な努力なしにはありえない。それなのに、企業は人の労働や命をお金に換算し、役所は人の人生を管理していながら、専門の知識が必須の職務の采配権を、専門知識の足りない者に持たせることに何の疑問も持たない。

企業は(学校も公教育以外は営利企業だ)、ただの気弱をさも重病のように鼓舞し、権力に従順な素人を翻弄する。いとも簡単に鬱病ということばがネットで流行する。厚顔無恥でなければ人ではないといわんばかりに。なのに、落書きごときで解雇や退学の大騒ぎだ。人と物、大切なのはどちらだ?いまさら怪談皿屋敷か。複雑な社会問題に右往左往し、取るに足りないものに異常に執着する。『重箱の隅をつつく』という揶揄する言葉があるが、『重箱の隅しかつつけない』のではそれ以前の問題だ。無垢な赤ん坊は時代の洗脳を受けて育つしかないし、杭打たれるしかない庶民は、生半可では、上に立つ者を超えて伸びることなどできないのだから、社会が荒むわけだ。
庶民の暮らしを助けるべき福祉関連でさえも単なる異動で片づける。何年もかけて培うべき専門知識を要する資格をどういう経緯で取るものか、カウンセラーの資格を持って福祉に携わる。相談者は担当者が変わる度に、ほぼ最初の面談からのやりなおしの感を強く抱かされる。福祉がただの事務処理ならうなずけもするが、イジメや差別が事務処理で片づくものなら、とっくに片づいていなければおかしい。オールマイティ願望に浸けられただけの俄資格で他人の人生を左右されてはたまらない。ころころ異動すれば結果は当然そうなる。福祉課に相談したらオールマイティの練習台や幻想の生贄というのでは、うっかり信頼できない。結果がどうなろうと異動で終わり、だ。それでも、相談窓口はほかにない。他人の人生を左右するなら、完成された人格と、培われた経験と、医者同様の知識があって然るべきだ。それがイジメ社会を勝ち抜いてきた若者たちにあるのか。それなくして他人の人生を左右するのは間違いなく暴挙だ。
登校拒否やは引きこもりを医者は診ない。病気ではないというが、人並みの人生を送れないなら、それができるように、医者でもない誰がやれるというのか。身体に傷があれば治す医者が、事件になった心的トラウマは病気じゃないのに診ても、登校拒否や引きこもりの心の傷は病気じゃないから診ないという。他人に傷つけられた心という点で、紛れもない心的トラウマではないか。診てもらえなくて救われるならそれでいい。しかし、現実にはひどくなった点がある。『病気じゃないんだから動かなきゃ!』が当然になってしまった。
外に出なきゃ、もっと動かなきゃ、働かなきゃ、○○しなきゃ・・・。カウンセラーには、外にもろくに出られないほど傷ついている心をどうしても理解できない。それでなぜカウンセラーなのか・・・。『○○しなきゃ』というのは簡単だ。そう言うだけがカウンセラーなら、そんな簡単なことはない。人の人生を左右するなら、それだけの知識と力量を持っていなければいけない。公務員試験をパスした事務処理の専門家が異動で無条件に心の医療の専門家になれるのが不思議だ。医学や心理学の専門家が必要な部所に事務の専門家をカウンセラーとして配属するなど適材適所の欠片もない。

世の中に、なぜ専門家やプロが存在するのか、まるで頭にない現代の驕る平氏たち。選民意識もここまで高じればつける薬はない。かといって、この国が夏草覆う国になるのは忍び難い。畑違いの仕事を畑違いの人間にさせて平気な人間たちはオールマイティの幻想に取り憑かれている。思い込みでオールマイティになれるなら、こんな楽なことはない。この世には、医者も弁護士も、諸々の専門家も必要ない。こんな暴論に誰が賛成するだろうか。しかし、現に、今の日本では至極当然になされている。
オールマイティになれるなら、それは人間じゃない。その人間が作る万能ともいうべきコンピューターでさえ盛んにハックされる。不完全な部分はいくつでもある。オールマイティは夢のまた夢、ユートピアの幻想の類だ。それを現実にしようという意気込みは賞賛されるべきだが、それをできると思い込み、できていると錯覚し、それに疑問を抱かないことが問題だ。他人の人生を左右する権利など本当は誰も持ってなんかいない。差別や蹴落とし思考が、個人で太刀打ちできないことや、相談者が必要になる事態をどんどん増やす。心身を癒す専門家である医者が匙を投げたものを、手探りの親に何がどこまでできようか、他に頼れるのは原因を作った行政しかない。それでなお俄カウンセラーのいいようにされるのではトコトン救われない。
[ 2008.7.3 ]
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