現代の世界はインターネットの恩恵を受け、情報戦の真っ只中にある。が、日本は変わることなく“誠意”を錦の御旗にしている。日本人同士にしか通用しない“日本人だけの常識”かもしれないが、人として賞賛されるべきでもある。昔は、外国から見れば“信じられないほどの間抜け”に見えただろうし、“やはり黄色い猿だ”と思ってもいただろう。今は日本の国際企業もたいそう現実的なようだから、外国も認識を変えただろうか。しかし、日本製品の品質の良さは“誠意”によって培われたものだ。使う人の身になって真剣に取り組み、良い物を作るために日本中が必死に切磋琢磨したからこそ今の日本がある。

だからといって、日本人お得意の“大人の対応”や“異常な謙遜”が良いとは言えない。ネット時代の到来で、今までは大して影響しなかったが、情で法を曲げるような“日本人らしい対応”はあまりに危うい。

不法滞在者が増加する中、法改正で目はさらに粗くなり、一段と拍車をかけている。我を張ることを良しとしない日本人はついつい譲り、自ら縮こまる。情をかけ、妄想・虚言すら良く解釈する。いかにも日本人らしいが、外国人は開いた口が塞がるまい。ホロリとくる大岡裁きも安売りしていたわけではなかろうに。

日本の自衛力は、時の首相が健在であれば徐々に高まるだろう。外国人犯罪の増加も在留カードの一元管理で減っていくだろう。今さらながら、近隣国が立ち遅れ、歴史を捏造するほどに窮しているのだからと情をかけてきたが、果して仇になっている。今まで通りの“大人の対応”で良いわけがない。

原爆を落としたのはアメリカだ。それを知らない者はない。日本人こそは、その効果を試した人体実験の被害者だ。であれば日本が原爆の“賠償”をするのは何故か。敗戦国が“賠償”するのは戦勝国や被害国に対してだ。原爆の“賠償”は個人が対象であり、被爆したのは殆どが当の日本人ではないか。

被爆の後遺症は死ぬまで付きまとうのだから可能なかぎりの“支援”は成されて当然だ。日本以外に支援する国もない。しかし、“賠償”はあくまで“加害者の償い”だ。被害者自身が“賠償”するのでは全く筋が通らない。日本がやるのであれば、こと原爆に限っては、苦しみ続ける被爆者を救う“支援”と言うべきだ。たかが言葉、されど言葉。せめて言葉を“賠償”から“支援”に変えるべきだ。

先の大戦でのアメリカの国際法違反の事実は徐々に明らかになっている。近隣国の捏造話の類ではない。アメリカはベトナムでも枯葉剤を使った。イラクにも核は無かった。全てが有色人種に対する殺戮だ。今なお白人至上主義者は人種差別に罪の意識を感じない。彼らにとっての有色人種は人間ですらない。

敗戦国民である日本人は“賠償”という言葉を使うことで漢字の持つ概念に囚われ、自ら冤罪をかぶり名誉を汚し頭（こうべ）を垂れる。その卑屈さが、あらゆる差別を、白人至上主義やネオナチを増長させるのではないのか？一事が万事。卑屈なままで何の平和か繁栄か…。