地球のバリアともいえるオゾン層の破壊は人類を含む生物すべての絶滅につながる。なのに、まだ使える資源が眠っているからといって、なぜ目の眩むような大金を投じてまで調査利用しようとするのだろうか。その資源はオゾン層を破壊しないですむのだろうか。そうであったとしても、資源が尽きてしまえばそれまででしかない。

また、なぜ、電力の供給を、原爆・水爆・中性子爆弾につながる、危なっかしい発電に頼ろうとばかりするのだろう。それは並大抵の努力ではないはず。安全だというそばから悲惨な事故を起こしているではないか。以前、漁師を親類に持つ人が、原発の近海には奇形魚がいると聞いたと口にした。その時、ちょうどその原発の近くにいたのでゾッとしてしまった。こう事故が起こるのでは笑い飛ばせない。

目の前に降りそそぐ陽の光。その太陽は少しずつ大きくなっている、これからも大きくなっていく。何十億年か後には、地球は太陽に呑みこまれてしまうという。人にとっては、それまでに遥か悠久の時がある。それならば、そのエネルギーは無尽蔵といっていい。これほど地球に優しいエネルギーはない。なぜ有限の資源にばかり大金を投じる必要があるのだろうか。

人の命には限りがある。限りあるからこそ、無理の利く若いうちに蓄財しようと焦る。地球の資源にも限りがある。その共通点が人を惹きつけてやまないのだろうか。科学の発展は目覚ましいのに、放射線や地盤沈下に怯える日々など無いほうがいい。自然災害の恐怖だけでも対処できないでいるというのに。

家庭用の機器のほとんどが太陽エネルギーで動くようになったとしても、企業が機器の開発にいそしめることに変わりはない。環境保護を提唱しているのに、一番クリーンな太陽エネルギーの研究にに全力を注がないのはなぜだろう？商売にならないのだろうか？世界中のどこでも同じ規格の機器が使えれば万々歳じゃないのか？日本は経済大国から大きく脱落しているらしいが、国の発展にも寄与するのではないだろうか？

そういう知識が皆無の者としては、誰かが開発してくれるのを期待するしかない。ソーラー電卓やソーラー時計、ソーラーライトなどはとっくに市販されている。ソーラー車には目を見張ったが、車を動かせるなら、と思うのは無知の賜物？だろうか。しかし、研究者や開発者というものがその程度で満足するものだとも思えない。

しかも、世界のどこでも使えるソーラー機器の開発はノーベル平和賞ものではないのか。こういう研究になら、国を挙げて援助しても文句は言わない。大物であろうが小物であろうが、次々に製品化してほしい。税負担に喘ぐ労働者階級でさえ無理をしてでも買い換えようとするだろう。

大量生産で安くなれば、家庭はソーラー機器で溢れ、パソコンは充電が切れる心配もなく、いろいろなサービスも安価で提供しやすくなる。輸出入に電源関連の仕様変更の必要が無い。世界中の難民キャンプにも、貧民街にも、ホームレスにも、そのまま提供できる。暗闇の中に光がこぼれる。火を使わずに煮炊きができる。スープや雑炊が胃に無理なく身体を癒す。満腹感も増す。湯は水より少なくても清潔にできる。１台のパソコンから溢れる情報が教育の普及を促進する。

メーカーも、高価なうえに数年で壊れる新製品を買わざるをえないような灰色の市場を維持し、それを見越した製品を、技術を小出しにして、作る競争をするより儲けられるのではないだろうか。そうやって買わされているのに、ゴミ処理云々といって、買い換えて捨てるのにもお金を取る。

目先の利権争いへの情熱がソーラーエネルギーに向けば日本が再び経済大国になるのもそう遠くはない、なんてことはないのだろうか。